緋色流 レビュー&考察

鑑賞したアニメや洋画のレビュー、考察などをするブログです。

key作品考察 Angel Beats!とCharlotte 優れているのはどちらなのか問題

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前回行った、リトルバスターズ!Angel Beats!の比較考察記事の評判が良かったので、今回はAngel Beats!Charlotte verをやっていきます。

 Key作品考察 ABとリトバス 似てるようで似てない2作品の違い→http://hiirow.hatenablog.com/entry/2018/02/27/123933


"CharlotteはABの反省を活かして作った"と麻枝准ことだーまえは公言しているし、ファンの間でもそれは有名な話だ。しかし、その割には、"ABよりCharlotteの方が優れている"という評価をあまり聞かない。実際、某アニメレビューサイトでは、CharlotteよりABの方が圧倒的に評価が高い。もっとも、悲しいことにまとめサイト等では、"どっちもクソだ"なんて意見ばかりだ。

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2作品のどの辺りが"優れているか劣っているか"、また、"CharlotteはABの反省が活かされているか"などを考察してみよう。因みに管理人が好きなのはABです。

 

①「キャラクターの描き方」

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キャラクターの描き方が優れていたのはどちらか。これはもう圧倒的にCharlotteだろう。ABは、キャラクターが多いのにも関わらず、その魅力を引き出せていたのはごく一部だけだ。椎名やTKのようなキャラクターを一瞬で退場させたのはいかがなものかと思う。ゆりっぺをこよなく愛していた野田が、あっさり消えるなんておかしくないか?

また、AB放送終了後、音無への批判が酷かったが、それも音無結弦という"人物"をきちんと描くことが出来ず、視聴者に伝えることが出来なかったせいだろう。Wikipediaによると、主人公は音無とゆりと記されているが、"ゆりっぺのポジションも、主人公なのかメインヒロインなのかはっきりしていてない"という指摘も少なくなかった。一応公式サイトによると主人公は音無になっているが、そこら辺のキャラクターバランスが悪かったのは否めない。

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その一方で、Charlotteではそれらの問題が改善されている。

音無のように、最終回で批判を浴びないようにするため、主人公乙坂有宇が"いかにダメなやつ"かを1話の時点で分かりやすく描いた。最初から"ダメな人間"だと認識していれば、"みたらしモード"になっても反感を買わないで済むからだ。

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キャラクターも出来るだけ減らし、高城や柚咲も徹底してサブキャラクターの位置を貫いていた。乙坂の成長を描くため、他のキャラクターは目立たないようにしていたのだ。

唯一の問題点は、乙坂よりヒロインの友利に人気が出てしまったことだが、それでもABよりキャラクターの描き方は良くなっていただろう。

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②「ストーリー展開と無駄な回」


正直、これはどちらが優れているか判断するのが難しい。

ABはテンポの速い脚本だった。個性のアホを活かしてボケを放り込み、テンポ良く音無がツッコミを入れる。その割には、何度も天使と戦っては、ギルドに行ったりなどの、同じ行動の繰り返しが目立っていたが・・・

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良くも悪くも、リズミカルな会話が続いていた印象だ。基本的な流れはCharlotteも同じだった。

しかし、Charlotteには必要ない回が目立っていたような気がする。だーまえも言っていたが、どう考えても野球回はいらなかっただろう。野球回での尺を、乙坂の能力者回収の旅で使えたらCharlotteはかなり変わっていたんじゃないだろうか。ABとCharlotteは最終回にかけての展開が荒かったが、ただでさえ1クールで短いんだから、必要ない回は短くまとめるか割愛するべきだった。

とてもじゃないが、Charlotteのラストの流れは、ABの反省を活かして作られたとは思えない。ABは終盤の展開にも批判が多かったのだ。ABの反省を活かしているなら、Charlotteはもっと丁寧に描いていただろう。"最後の展開が唐突すぎる"とあやねるに言われるのも無理はない。

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③「設定と世界観」


ABは、あの独特な世界観における、矛盾だらけの曖昧な設定が批判対象だった。批判対象になってしまったのはしょうがないが、管理人からすれば、あの世界観や設定がABの魅力だと思っている。とはいえ、ABの元ネタ的作品、灰羽連盟とkeyの個性を組み合わせるのが難しかったのかもしれない。

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それに対し、Charlotteの設定や世界観は、従来のkey作品の中でも比較的簡単だった。というか、"分かりやすい"設定にしたんだろう。

やはりこれは、"ABの反省が活かされていた"と言っても良いのではないだろうか。


④「サウンドトラックと作中歌」

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Key作品と言えば、やはり"音楽"だろう。OPEDも含めて、挿入歌、サントラ、全てが最高にクールだ。

しかし、Charlotteは"音楽"の使い方が、従来のkey作品と比べてかなり微妙だったと思っている。例えば、最終回で流れる「君の文字」。良い曲だが、使用されるのは最後だけ。なんて勿体無いんだ。アレンジバージョンがサントラに収録されているが、それらの使用回数も少ない。

ZHIENDやハロハロも、"もっと活躍してほしかった"というのが本音である。乙坂の成長に関係がないと、ZHIENDやハロハロの設定を活かせないのは残念だった。ABのガルデモの方が、美味しい部分を持っていただろう。

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それだけじゃない。Charlotteはサントラがイマイチだった。例えば、ABの場合「Theme of SSS」を流せば、良い演出にもなるし、視聴者側も熱くなっていた。しかしCharlotteには、場を盛り上げる印象的なサントラはあまりなかったのではないか。もちろん、Charlotteにも素晴らしい曲(サントラ)はあるが、管理人が言いたいのは音楽の使い方がABより微妙だったということだ。

これはABからCharlotteにかけて、悪くなってしまったことだと思っている。正直、Charlotteが他のkey作品に比べて感動しないのは、ストーリー云々を除けば、音楽の使い方のせいじゃないだろうか。

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とりあえず、4つの項目でABとCharlotteを比較してみた(あくまで、管理人個人の考え)。比べた点は4つだけだが、結局、2作品にそれほど"差"はなかったのかもしれない。


一番大事なのは、作品のクオリティではなく、"自分がその作品を愛しているか"だ。

「例えレベルが低い作品でも、自分がその作品を愛し、応援していれば、作品のクオリティや他者から評価なんてどうでもいい。」

Keyに限った話じゃないが、これを頭に留めておくのが大事なのだ。

どんな作品にも"大なり小なり、良いところも悪いところもある"ので、ABやCharlotteに批判があるのもしょうがないが、我々鍵っ子はきちんとそれを受け止め、2作品を応援し続けよう。

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