緋色流 レビュー&考察

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Angel Beats!考察② 本当のテーマと伝えたかったこと それは一番の宝物にあった

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⚠︎ この記事にはAngel Beats!のネタバレが含まれています。

 

前回の記事の続きです。

Angel Beats!考察① Angel Beats!とはなんだったのか 製作陣の狙いとは?? 鬼門はCLANNAD超えだった→http://hiirow.hatenablog.com/entry/2018/02/11/120654

 

前回の記事で、製作陣の狙いは考察出来た。

今回の記事では、Angel Beats!の"裏のテーマ"と"伝えたかった"ことを考察していく。

 

まずテーマだ。前回の記事でABの"キャッチコピー"は、"CLANNAD超え"をするための理不尽な人生"を意識をしていたのではないかと指摘した。公式のテーマ"人生"である。

では逆に、他のテーマを模索してみよう。リトバスのような"友情"はどうだ??

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確かに、ABとリトバスには似たようなところもある。だが、この2作品の本質的部分は完全に違う(ABとリトバスについては後日記事にする予定)。もちろん、多少は"友情"について描かれているのかもしれない。

ならAIRCLANNADのように"家族"がテーマに入っていなかったのか。

 

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"家族"も違う。音無と音無初音の関係を全面に描いたりはしてないからだ。

 

 

「俺たちの生きてきた人生は本物だ!!!」

「何一つ嘘のない人生なんだよ!」

「みんな懸命に生きて来たんだよ!」

「そうして刻まれてきた記憶なんだよ!」

                                  中略

「お前の人生だって本物だったはずだろ!!!」

 

これらのセリフは主人公の音無が、直井に向かって言ったもの。まさにこのセリフの通りなのである。「人生というのは理不尽、生きるのは辛く苦しいこと」。それでもたった一つの"人生"。受け入れるしかないのだ。

 

「神様ってひどいよね、私の幸せ・・・全部奪っていったんだ・・・」

 

 

ユイのセリフだ。"神様"がいるかいないかはさておき、死んだ世界戦線のメンバーは最後に幸せを得ている。ユイだって、日向のおかげで幸せに消えることが出来た。そう、ABの伝えたかったこととは「生きてれば、きっといつか幸せになれる」なのだ。どれだけ不幸まみれだったとしても、きっと"幸せ"になれる。例え"死んだ後"でも幸せを掴める。

 

 

もう一つ、大事なメッセージがこの作品にはある。

 

2話のギルド回にて、ゆりっぺはさらっと重要なことを言う。"ここに自殺した人間はいない"。みんなあれだけ"報われない人生"を送ってきたというのに、自殺をしたメンバーは誰もいないという。ゆりっぺが言うならそうなんだろう。誰一人自ら人生を絶ってないのだ。生きるという行為を諦めていないのだ。

 

 

「ひとりでもゆくよ 死にたくなっても

    声が聞こえるよ 死んではいけないと」

10話と最終回にて視聴者の涙腺を決壊させた一番の宝物の歌詞である。このフレーズはユイバージョン、最終回バージョンともに入っている。この歌詞にこそ、ABの伝えたかったことが描かれていた。"自殺防止"、これが"もう一つのテーマ"だったのだ。"自殺"をしたら、死んだ世界戦線のようなチャンスをもらえる場には行けない。だから、"生きろ"。これは戦線メンバー、だーまえ自身、製作陣、そして視聴者へのメッセージでもある。

 

まとめると「生きてればきっと幸せになれるから、自殺しないで」ということ。

戦線メンバーみたいな"不幸まみれの人生"を送っていても自ら命を投げ捨ててはいけない。諦めなければ、報われる日が必ず来る。

 

これは、だーまえ自身、製作陣、そして我々視聴者全員に発信されている。

 

考察してみるとABの"テーマ"はなかなか深い。そして多くの鍵っ子が、この"テーマ"と"メッセージ"を受け取って生きている。改めて、"力強い作品"だなと思った。

余談だが、死ぬ前に1作品だけアニメを見れるなら何にするか?という問いに対して自分はABを選択します。

Angel Beats!考察③ AngelPlayerを含めた荒い設定なんだったのか?に続く

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