Key作品リトバス考察 小毬に与えられた役割と彼女の持つ理論
以前、棗恭介の考察をしたところ、評判が良かったので、今回は小毬ちゃんverをやっていきます。
Key作品リトバス考察 描かれなかった恭介の葛藤と計り知れない苦悩→http://hiirow.hatenablog.com/entry/2018/02/24/130512
小毬は、何処と無く脆そうな部分(兄との問題を含めて)がある反面、非常に純粋な心の持ち主で、頑張り屋さんでもある。それは、Kanonの月宮あゆ、AIRの神尾観鈴、CLANNADの古河渚などと同じだ。余談だが小毬は、月宮あゆ、神尾観鈴、古河渚と並んで「幸せになる番」のジャケットの表紙を飾ってたりするので、keyの中でも優遇されている。「幸せになる番」とは、ヴィジュアルアーツ20周年記念の曲で、作詞作曲は麻枝准、歌っているのはLia、多田葵、Rita、茶太の4人。とんでもなく豪華メンバーになっていて、歌詞もKanon、AIR、CLANNAD、リトバスにリンクしている。
リトバスは、鈴と小毬のダブルヒロインだと捉えている人も少なくない。
実際、"小毬に与えられた役割"は、他のヒロインたちとは明らかに異なっており、リトバスの中でもかなり優遇されているキャラだろう。
小毬に与えられた役割や、彼女の理論、鈴との関係について色々考察していこうではないか。
①「神北小毬に"与えられた役割"」
なぜ、恭介は小毬をメンバーにしたのか。なぜ、一番最初に彼女を選んだのか。その答えは明確だ。鈴に"兄の死"から、立ち直れることを小毬から学んでほしかったのだ。小毬は兄を失って、鈴も兄を失う。比較的似た境遇だろう。リトルバスターズ加入直後の小毬は、"兄の死"を受け入れることが出来ていなかったし、それが彼女の問題でもあった。しかし、理樹がその問題を解決したことにより、小毬は"兄の死"から立ち直ることが出来た。"バスの事故"で、鈴は塞ぎこんでしまうかもしれない。そんな時、"親友"である小毬のことを思い出し、"死"から立ち直ってほしかったのだろう。恭介はそれを狙い、小毬を最初に選んだのだ。
②「神北小毬の考え方、"幸せスパイラル理論"と"前向きマジック"」
「誰かが幸せになると、自分もちょっぴり幸せになるよね。
君が幸せになると、私も幸せ。私も幸せになると君も幸せ。
ずーっと、ずーっとくりかえして。ほら、幸せスパイラル。」
以上が、小毬の"幸せスパイラル理論"である。「情けは人の為ならず」と同じだと思っていい。
以前、リトバスは、典型的な"One for all, all for one(一人はみんなために、みんなは一人のために)"作品だと指摘した。 "One for all, all for one"と小毬の"幸せスパイラル理論"の組み合わせは、非常に相性が良いだろう。一人のヒロインは、リトルバスターズという仲間のために問題を解決し、リトルバスターズは、一人のヒロインのために問題を解決しようとする。問題を解決したヒロインは、"幸せ"を得る、その"幸せ"はリトルバスターズ全員で分かち合うのだ。
小毬ばかりが唱えていた理論だったが、リトルバスターズはこの理論に基づいて行動を起こしていたとも捉えられる。"幸せスパイラル理論"を唱えていることを知っていて、その理論がリトルバスターズと優れた相性だと判断した上で、恭介は小毬をメンバーに選んだのかもしれない
"前向きマジック"について。
どうしても"幸せスパイラル理論"の方が話題になりがちだが、こちらも極めて重要である。
「なんか凹んじゃうようなことがあるとね、
それを口に出して最後に「ようし!」って付けるの。
ほらネガティブがポジティブに!」
この"前向き思考"が、他メンバーにどれだけ浸透していたのか謎だが、メンバー全員に影響を与えている。バスからメンバーを救出する時に、"諦めなかった"のは"前向きマジック"のおかげだからだ。鈴は親友(小毬)の蘇生術を借り、あの場を切り抜けた。もしも、あの場で"前向きになる"という思考を鈴が持っていなかったらどうなっていただろうか?理樹はみんなを助け出そうとしていたかもしれないが、彼一人では上手くいかなかっただろう。"前向きマジック"がもたらした"奇跡"は、あの恭介ですら予想出来なかったことだ。
神北小毬という心優しい少女がもたらした"幸せ"は、小毬を含めたリトルバスターズ全員を笑顔にしただろう。
小毬に与えられた役割は、他にも様々なものがある。それらに注目して再びプレイ(視聴)してもいいかもしれない。